ドレイン

フォロアー様よりご質問

これってなんですか?

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この写真は、ANAのボンバルディアQ400という飛行機のエンジンナセル(エンジンを覆っているカバー)から飛び出ている物になります。

穴の開いた配管がそのまま出ているのですが、こういった飛び出た配管というのは、飛行機に限らず、ヘリコプター等でも見ることが出来ます。

その目的は・・・

ずばり「いらない物を機外に放出する(捨てる)」ための配管です。

こんなことを言うと、「トイレの・・・・」とか言われそうですが、それはないですwww

どちらかというと、燃料や潤滑油、作動油などを放出しています。

燃料とか潤滑油とか捨てても大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、実はセスナなどの小型機でも、普通に捨てているのです。

ドレイン(drain)とは、もともと排水を流すための排水溝を指す言葉なのですが、航空の世界では「機外に出すための配管」すべてを総称してドレインと呼んでいます。

種類としては、以下のような物があります。

  1. 燃料ドレイン
  2. 潤滑油ドレイン
  3. 作動油(ハイドロ)ドレイン
  4. その他の液体用ドレイン

そして、ドレインの目的から次のように分類されています。

  1. 通常使用で漏れてくるドレイン
  2. 漏れてはいけない箇所に付いているドレイン
  3. 操縦士や整備士が操作を行って液体を取り出すドレイン

さて、それぞれどのように違うのでしょうか。

 

通常使用で漏れてくるドレイン

これは、エンジン始動時など、必要な量や圧力を得られるまでの余剰分を機外に放出するタイプと、航空機が頻繁に姿勢を変えることにより、タンクや系統からあふれ出る液体を放出するタイプに分けられます。

エンジン始動時などは、正常に着火するまで燃料が燃焼室に送られていますが、そのまま未着火の燃料がどんどん溜まっていくと、着火時に「ドカン!」と火が付くことになりますので、不要な分を機外に放出するような機構になっています。

また、アクロバット機などは、背面などの姿勢変化がありますので、潤滑油などが系統からあふれることがありますので、あふれ出た液体をまとめて機外に放出するために付いています。

こういったドレインは、普通に漏れていても問題はありません。

操縦士用チェックリストには、単位時間あたりの漏れる量がきちんと記載されているものもあります。

漏れてはいけない箇所に付いているドレイン

これは、そのままの意味です。

例えば、エンジン内部は密閉されていますが、そこから潤滑油が漏れたとしましょう。この場合エンジンナセルを空けるまでわかりませんが、エンジン下部にオイルの受け皿があれば、受け皿の状態を見ることによってオイル漏れを早期に発見できます。

また、燃料タンク等は、タンクの外側にさらにカバーがついている物があります。もしタンクに穴が開いて燃料が漏れたときは、カバー内部に燃料が入り、それがドレイン配管につながっているため、早期に発見ができます。

このタイプのドレインは、エンジンオイルや系統を動かすためのハイドロ系統などに装着されいていることが多く、外部点検時には「漏れていないこと!」を確認することになっています。

操縦士や整備士が操作を行って液体を取り出すドレイン

これは、操縦士や整備士が系統の液体の状態を確認するためのドレインです。

このタイプは色々あるのですが、どの航空機にも必ず付いているのが、「燃料の水抜きドレイン」です。

燃料タンクは、使用すると空いている空間に空気が溜まります。夜間や気温が低くなると、空間内の空気が結露して、水が発生し、燃料に混ざることになります。

水は燃料よりも比重が重いため、タンク下部に溜まっていきますが、タンクからエンジンへの燃料配管はタンク下部についているのがほとんど(重量があるので)なので、水を吸い上げることになります。

もちろん、エンジンにはよくありませんし、最悪失火する可能性もあることから、操縦士は当日1回目の飛行では、燃料タンク内の水の状態を確認することが必須になっています。

この時に、燃料タンク下部についているドレインから燃料を抜き出してチェックするのです。

 

このように、ドレインには複数の目的と種類があり、外から見ただけではなかなか分からないものです。

本文中では液体とかきましたが、不要な気体や空気なども機外に放出しています。この場合は対象が気体ですので、ドレインとは言わず、ダクト(Duct)やベンチレーション(Ventilation)、イグジット(Exit)などの言葉が使われています。

皆さんがよく知っている、セスナ社C172でも、動態に4カ所、左右翼にそれぞれ5カ所と、合計14カ所のドレインがあったりします。(ドレインの数はシリーズ別に異なりなりますので、一概には言えないのですが・・)

それぞれが、何の系統につながっていて、何が出てくるのか。

そして、それは漏れて良いのか、悪いのか。

操縦士や整備士は、これらの事も知らないといけないのです。

ちょっと余談ですが、翼に入り込んだ雨水を放出するドレインもあったりするんですよw

今度、飛行機に乗る際は、ちっちゃなパイプがいくつあるのか見てみるのも楽しいかもしれませんね。

(エアラインの機体はドレイン孔いっぱいありそうですwww)


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