戦闘機にはオートパイロットはついていない?

エアライン等で運航されている飛行機には、オートパイロット(略称:AP)がついています。
これらは、FMSと呼ばれる飛行統合装置(Flight Management System)によって制御されており、機体の動き(ピッチ、ヨー、ロール)の他、スロットル等をコントロールすることができます。
通常、運行前にその日の飛行経路や高度等を入力することにより、入力したとおりにAPが操縦を肩代わりしてくれるという便利なものですが、最近では離陸や着陸、さらには地上滑走もすることもできるため、パイロットはデータ入力係、計器監視係になりつつあります。
ただし、離陸や着陸、地上滑走のAP使用は、日本では認可されていない、または必要な設備がそろいきっていないというのが実情です。

小型機の世界でも技術の進歩により、エアライン機とほぼ同等のAPシステムが導入されています。
オートスロットル等は搭載されていないことが多いのですが、機体の飛行制御については問題なく行えるため、離陸して安定したらAPを使って飛行するということも可能です。

APには、前述のFMS等を使用した、「出発地から目的地までの飛行」を代替するモード(NAVモード等の名称)と、もう一つは飛行する上で必要な諸元を任意に制御するモードとに分かれています。

最も単純なモードとしては、「HDG(進路)ホールド」や「ALT(高度)ホールド」といった一つの諸元を守るモードです。
パイロットはAPをエンゲージして、モードを選びます。
HDGホールドモードにした場合は、エンゲージした瞬間の進路を守り続けます。
必要に応じて、APに進路指示を入力(バグと呼ばれる指示器をセットする。またはFMS等に方位を入力する。)することにより、所望の方位へと進路を変えてくれます。
もちろん、その間は高度は保持してくれます。
速度については、オートスロットルと連動していれば維持してくれます。
さて、戦闘機のAPがついているかということですが、結論として言うと、「ついています。」

ただし、エアライン機のようなFMS等と連動した総合飛行制御機能は持たないことが多いです。
私が実際に乗務していたF-15Jで言いますと、搭載されているモードはわずか2つです。

「ATT-HOLDモード」
これは、ATT(Attitude)飛行姿勢を維持するモードです。
飛行姿勢を維持するだけですので、きちんと水平飛行していれば、その状態を維持してくれます。
でも、わずかに降下姿勢であったり、どちらかにバンク(飛行機の傾き)を取っていた状態でエンゲージすると、そのときの姿勢を保ちますので、ずーっと降下したり、延々と旋回したりという事になります。
どちらかというと、まっすぐ飛ぶ方が難しいモードだったりします。

「ALT-HOLDモード」
これは、上記のATT-HOLDモードをエンゲージした状態で、さらにALT-HOLDモードをエンゲージします。
名前の通り、ALT(Altitude)高度を維持するモードです。
このモードを使用した場合は、上昇や降下をしている飛行姿勢であっても、エンゲージした瞬間の高度を保とうとAPが作動します。
ただし、バンクについては制御しないため、機体がバンクを取った状態でエンゲージすると、一定高度で旋回し続けることになります。
CAP(Combat Air Patrol)上空待機をするには便利な機能です。

このように、F-15Jの場合は限られたモードしか使用できません。
でも、戦闘機本来の任務からするとこれで十分な気がします。
本来は「動き回る」のが仕事ですから。

今回はF-15Jに限ってお話ししましたが、最近の戦闘機であればもっと進んだAPが搭載されている可能性はあると思います。
FMSに似た装置もあるかもしれませんね。

ついでにお話しますと、
任務等で他の飛行場に行くときは、ずーっとマニュアルで操縦してるんですよ。
割と退屈な上に、眠くなったりします。
AP入れたら爆睡しそうな気がするのはご愛敬でw


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1 件のコメント

  1. air_tobusays: 返信

    はじめまして。最近Twitterのフォローをさせて頂いたair_tobuと申します。
    戦闘機 APですが、東側の機体は西のそれと比べ、やたらAPに頼っているイメージがあります。
    MIG-29の-1をみても、ATTITUDE/ALTITUDE HOLD MODE に加え、APPROACH MODEもありますしね。
    西側で フライバイワイヤ機はいろんなAPモードが増えていくのではないでしょうか?益々パイロットは眠くなりますね!

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