シミュレーターにおける着陸のコツ

最近はシミュレーターゲームなどする方も多いですね。

やはりその中で着陸は最も難易度の高い課目です。

もちろん、実機でも着陸をきちんと基本通りできる人というのはとても少ないですし、私も7,000回以上着陸していますけど、「これだっ」と思えるような着陸は数回程度だったりします。

さて、その難しい着陸を上手に行うコツをお話します。

結論

「基本通りに行うこと」

いきなり結論です。しかも当たり前のお話

でも、この当たり前の事をきちんとすることがとても難しい。

基本通りに行うことは次の3つです。

  • 進入角度(パス)を守ること
  • 進入経路(アライン)を遠くから滑走路に合わせること
  • 進入速度(ファイナル・エア・スピード)を守ること

これだけです。

いや、さっぱりわからんという話だと思いますので、分けてお話します。

進入角度(パス)を守ること

着陸する際に、滑走路に進入する角度のことを言います。

通常、軍用機は2.5度、エアライン機や小型機だと3.0度です。

この角度は、飛行場にある進入角指示灯(PAPI)の角度と同じです。

これをファイナルアプローチ間しっかり守ることが大事です。

進入角が高くなると、接地前(滑走路末端)での高さが高くなります。

通常、着陸のための最終操作(返し操作とかラウンドアウト、フレアーとか言います。)を開始する高さは常に同じです。

しかし、機体が大型になるほど、対地高度の感覚(対地感覚といいます。)が不正確になるのです。

なので、滑走路や地面の見え方などの参照物を参考に出来なくなるため、目で見た感覚の高さで判定せざるを得なくなります。

パスが高ければ少し遅めに、パスが低ければ少し早めに最終操作を開始する。これが感覚に頼るととても難しい。

なので、毎回同じ高さから最終操作が出来るように、パスを一定にしておきます。

進入経路(アライン)を遠くから滑走路に合わせること

これは、滑走路に降りるのですから当たり前といえばそれまで。

でも、もう一つ大事な要素があるのです。

それは、「風の影響を計る」ことです。

風は正面であれば、特に問題はありません。(もちろん最終操作のレートコントロールには影響しますが。)

でも、少しでも横風成分がある場合、小型機はウイング・ロウ・アプローチ、大型機はクラブ・アプローチを行う必要があります。

ウイング・ロウ・アプローチも初期はクラブアプローチから入りますので、最初に風に対する修正角度を作りながらファイナルアプローチを作ることになります。

遠くから滑走路の延長線上をひこうできるということは、その修正角度が合っていることを表します。

左右にフラフラして飛行していたら、最悪の場合、最終操作でもアラインを合わせながら接地操作となり、難易度が格段に上がってしまうのです。

進入速度(ファイナル・エア・スピード)を守ること

飛行機は、速度によってその飛行姿勢が変化します。

一般に速度が速いほど機首下げ姿勢、速度が遅いほど機首上げ姿勢になります。

これは降下中でも同じ事です。

なので、ファイナル・アプローチ速度が一定ではない場合は、パスを守ろうとすると機種が上下することになります。

それだけなら良いのですが、機種が上下すると、パイロットから見た滑走路とキャノピーとの相対位置が変化します。

(機首を上げると、滑走路が機首に近くなるように見え、機首を下げると、滑走路から機首が遠のくように見える。)

このため、人間の錯覚も手伝って、より航空機の姿勢コントロールが難しくなります。

さらに、ファイナル・アプローチ速度はその航空機の形態や重量によって最適なものが規定されています。

それを逸脱するということは、安全上望ましくないだけでなく、最終操作の操作量も変化してしまうということです。

速度が速ければ、フレアーは少なめにかつゆっくりしないと浮いてしまいます。

逆に、速度が遅ければ、フレアーは早めにしかも大きめに行う必要が出てきます。

毎回同じフレアー操作にするために、速度を守ってアプローチすることが大切になるのです。

では、最終操作(フレアー)は

まず、上記3つを毎回同じに出来るようにアプローチしてください。

それができるようになったら、

  1. 滑走路の進入側末端で、スロットルを絞る
  2. 航空機が沈む(シンク)するので、沈まないように支える(操縦桿を引く)
  3. 沈みが止まったら、再びスロットルを絞る
  4. ふたたび、支える
  5. 上記を繰り返す

機種にもよりますが、大体3回目くらいに接地するはずです。

これは、私が教官をする際に、学生さんに最初に教える「三段返し」という着陸方法です。

この方法の利点は、「毎回同じ条件で返すことが出来る。」ことと「航空機の沈みをはっきりと分かりやすく出来る。」点にあります。

着陸の仕方としては、パッタンパッタンと返すので、格好悪いかもですが、これが毎回きちんと出来るようになると、スムーズな連続的な返し操作はもうすぐです。

ようは、三段を四段に、四段を五段にと増やしていけば、やがて「無段階」に操作するようになります。

それがスムーズなフレアーによる着陸なのです。

最初から無段階にチャレンジすると、間違いなく浮く(フローティング)か落着(最悪ポーポイズ)に入ります。

これは、「推力が減少して航空機が沈もうとする量」に対応した「返し操作」が出来ていないためです。

なので、まず最初は機械的に3回に分けてみる。

そして、沈みを実感できるようになったなら、その沈みを止めるように返していく。という教育方法なのです。

実機とシミュレーターの違い

これを読まれている方のほとんどは、シミュレーターかもしれません。

そう考えると、航空機の沈みを感じるのはとても難しいのです。

それは沈む体感がないから。

なので、外の景色を見て判断するしかありません。

実機だと、沈む感覚(エレベーターで下に降りる感覚に似ている。)があるのですが・・・。

あ、くれぐれも電波高度計を見てフレアー操作をしないようにしてくださいね。

まとめ

着陸は最も難しい課目であると同時に、その航空機の特性を知っているかどうかの目安になります。

やはり、操縦が上手な方というのは、基本通りの着陸をきちんとやります。

私も着陸を見ればその方の技量が分かります。

やりがいのある課目ですので、とことん突き詰めて欲しいと思っています。


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