海上自衛隊ヘリコプター搭載護衛艦「かが」を空母にできるか

海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「かが」

2015年8月に進水して、Twitterでも話題を独占しておりました。その内容というのが・・

「日本に空母がぁぁぁ!」

「改修して戦闘機を乗せて戦争をしようとしている!」

「次のF-X(F-35)を艦載機にする計画だぁぁぁ!」

・・・・とかなり香ばしいご意見が多数。もちろん書いている方は冗談なのでしょうけど、本気に見える方もそれなりにいたような気がします。

そこで、海上自衛隊の知識はほとんどないけど、航空機運用なら任せとけの空飛ぶたぬきが、「かが」ちゃんを空母に出来るのか、できるならどうするべきなのか、を検証してみたいと思います。

① さて、戦闘機等を搭載し、それらが離着陸できる船を空母と言います。一般的に、空母にはその全長から「通常離陸」や「通常着陸」はできません。離陸はカタパルトで機体をひっぱり加速して、着陸はアレスティングフックでひっかけて減速します。

② いずれも、「そんなものは改修して(後付)すればできるんだー!」と、香ばしいご意見が聞けそうです。さらに、ハリアー(AV-8B)やF-35Bなどは、垂直離着陸可能ですので、それらの装備なしに離着陸できそうです。

③ さて、まずハリアーは日本が買いませんので除外します。となると、次期F-XであるF-35が有力ですね。F-35Aは空軍仕様、F-35BはVTOL性能(垂直離着陸)、F-35CはCV(空母搭載型)です。仕様が3種類あるのです。

④ F-35Aは空軍使用ですので、空母での運用は想定されていませんから、F-35Cが有力でしょうか。フックの強化やカタパルト装着用フックの追加が行われている機体です。これなら、かがちゃんを改修すればいけそうですw

⑤ 改修なんてしなくても、F-35BならそのままVTOL機能で使えそうな気もします。あ、そうなると無改修でお金かけずに空母になりますねw ところが、そうはいかない最も基本的な問題があるのです・・・。

⑥ 重要な要素とは・・「重さ」です。現在まで海上自衛隊の艦載機は、SH-60J及びSH-60Kです。ヘリコプターですが、彼らの最大離陸重量はSH-60Jで21384lbs 着陸装置のタイヤは、フロント2脚が2、テール1脚が2の合計4個

⑦ となると、SH-60Jのタイヤ1本にかかる荷重は 21884lbs÷4で、5471lbsになります。約2.48tです。 これに対して、F-35Bはどうでしょうか。

⑧ F-35Bの最大離陸重量は59400lbsです。 着陸装置は3脚で、いずれもタイヤ1つの合計3タイヤになります。となると 59400lbs÷3で、19800lbs(約8981kg)の荷重がタイヤ1本にかかります。

⑨ さて、タイヤ1本当たりの荷重を比較します SH-60J:5471lbs F-35B:19800lbs ・・・。さらっと3.5倍強ということになります。それくらいかぁ・・・と思われる方も多いかもしれませんね。

⑩ 航空の世界では終局荷重や安全係数という考えをもとに設計をします。恐らく船舶もそうでしょう。安全係数は「1.5」です。はたして、かがちゃんの甲板は、安全係数を2倍以上超え、予定運用重量の3.5倍以上の荷重に耐えれるのでしょうか。

⑪ 恐らく、今のままのかがちゃんにF-35Bが着陸したら、甲板がへこむと想像しますw。なら、甲板強化すれば?という声が聞こえてきそうです。でも、甲板だけではありませんよ。 格納庫の床も、側舷にあるエレベーターも強化することが必要です。

⑫ さらに燃料や補給装置、飛行機を誘導するシステム・・ どんどん重くなるうえ、お金がかかります。なら、VTOLは諦めて、カタパルトで射出すれば良いだろう!というご意見もありそうです。実は、イギリス海軍がやろうとして、予算が高すぎてあきらめているのです。

さて、ここで、海自の大型ヘリがまだありました。

⑬ MH-53E(CH-53E)というでかいのがありました。最大離陸重量:73413.9lbs(33300kg) 着陸装置は3脚のタイヤ各2なので、6本 タイヤ1本の荷重は、73413.9÷6で、12235.6lbsになります。

⑭ 再度比較 SH-60J:5471lbs MH-53E:12235lbs F-35B:19800lbs ・・・うーむ、1.6倍か・・・・ これはひょっとしたらいけるかもしれませんね。

⑮ただし、安全係数1.5を超えているのは、間違いないですね。となると安全性から言うと・・・きびしいかな。

さて、結論

「いけるかも?」しれません。ただし、以下の点を考慮する必要があります。

機体の運用重量を減らす。(できるのかな)

離着陸のためのシステムを搭載する。(値段高そうだな)

あとは・・・戦闘機を運用するためのシステムと人員ですね。

どうして、タイヤ1個の荷重で計算している

機体全体の重量は、F-35Bの方が軽いんです。

でも、着陸して接地するのはタイヤなので、タイヤ1個当たりの重さで比較しています。

空港とかですと、「PCN」と呼ばれる単位面積当たりの荷重がきちんと記載されているんです。

本来は、タイヤの直径とかも考慮するのですが、さすがに資料がないので・・

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